~わたし~ 第四章

2018-12-6 | その他

第四章

 

私たちはかつて尾行していたカップルの後ろを歩いていた。

なんせ前を歩いてるカップルの女子と

私と一緒にいる彼女はご近所さんなのだ。

なので彼らを先に行かせて

私たちは声の聞こえるか聞こえないかの距離を保ちながら

並んで歩いてった。

 

何を話したのかは思い出せない。

緊張していたから…

でも楽しかった。

20分くらいが

一瞬のように思えた。

そんなこんなで彼女らの家の前についた。

先にいたカップルは私たちを待っていた。

合流すると少し沈黙が走る…

「あれ…チョコは…?」

小声で友人に聞くと

「お前こそ…」

「いや…もらってないけど」

「俺も…」

あれ?

これもらえないやつか…

あー

やっぱだめだよな

だってカップルのあいつがもらってないんだもん

そりゃ俺がもらえるわけねーよ…

 

 

しかし私はなかなか「またね」が言えなかった。

本当にもらえないのか

それが聞きたかった。

友人も。

しかし私たちもそんなこと聞けるわけなく…

さっきの楽しい帰り道とは逆の

沈黙と気まずさが漂う

嫌な時間が過ぎてた…

 

突然だった

「こっち来て」

 

彼女が僕に言った。

友人カップルとは離れた路地に入る。

 

「はいこれ…」

 

恥ずかしそうにはにかみながら

可愛く包装されたチョコをくれた。

その後

それから僕は彼女に告白

一週間返事を待ち

「お願いします」

との返事をもらった。

それからというもの

週2回くらいは彼女と一緒に帰った。

相変わらず女性との距離の詰め方はわからなかったが

彼女から話題を振ってくれたり

彼女から手をつないだり

彼女の助けがあって

とても楽しい時間を過ごせた。

ホワイトデーに渡すかわいい文房具は前から買っていた。

でもその日はあいにくの雨。

朝からバックに入れていたため

型は崩れ包装紙も濡れて破れていて

とても人に渡す状態ではなかった。

「ごめん」

「ううんありがと」

と嫌なそぶりせず受け取ってくれた。

 

そのくらいからだろうか

何か違和感を感じ始めたのは…

自分がよくわからなくなっていったのは…

 

 

春になり

僕の気持ちは憂鬱だった

春なのに…

続く

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WRITER- 大和 晃 -

大和 晃

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