【娼年】〜人が故に人を為す〜

2018-3-6 | その他

http://eiga.com/movie/88008/photo/様より画像引用

4/6公開ですが仕事柄、一足早くご案内させてもらいます。

  • 2015年に舞台版も上演された僕も大好きな石田衣良原作小説の映画化。

無気力な日々を送る大学生 森中領(松坂桃李)は、バイト先のバーで歳上の美しい女性 御堂静香(真飛聖)に出会う。
女性もSEXもつまらないと言い放つ領に対しSEXを要求する静香であったが、その相手は耳の聴こえない少女 咲良(冨手麻妙)であった。

SEX後に試験の合格を告げられた領は、静香の経営する女性専用コールクラブ「Le Club Passion」で働くことになるのだが…。
娼夫として女性・SEXと向き合っていく領の姿を通し、人の心と身体に宿る欲望と幸福を描いた作品だ。

皆んなが知らないだけで、劇中で描かれていたような世界がある。
目まぐるしく映し出される東京の街並み。
聞き覚えのある生々しい音の数々。
容易に脱することのできない退屈な日々。

誰かと通じ合うことの難しさ、通じ合えた時の喜び。

そのひとつひとつが、非現実に感じられる世界観にリアリティが溢れる。

これは現実で起きている出来事だと、あなたにも僕にも関わりのある問題を描いているのだと信じさせてくれる。

皆さん、心して観て欲しい。

興奮している余裕なんて無い。
劇中の殆どがSEXで、どの女優さんも最高に美しいが、描いていたのは【それ】じゃない。
他人、異性、大切な人との、自分自身との関わり合いを描いていた。

仕事・学校・家族・恋人・友人・将来の事など、誰もが様々なことを考えながら生きている。

その中には、エロいことだって含まれていると思う。

 

少なくとも僕は毎日、女性の事を考えている。〔本業としての意味で。という形で逃げておく。笑〕

街行く綺麗な方には目が留まるし、ここには書けないような思考も巡らせている。
だけど、それらの想いは基本的には隠している。
曝け出せる時も、曝け出せる相手も限られている。
いや、曝け出せてすらいないかもしれない。
あなただって同じではないだろうか。

人それぞれに個性があって性格が違うように、性癖もまた人それぞれ。
コスプレ SM  露出 etc…
その性癖がアブノーマルであればある程に、曝け出すのに躊躇する。
曝け出したとて、受け入れて貰えるとは限らない。

お金を払うことで受け入れてくれる人がいるのらば、喜んで払ってしまう人もいるだろう。
世の中のあらゆる仕事が誰かにとって必要なように、娼夫という仕事にも確かな価値と需要がある。
人から快く思われない仕事だけど、観ている内にそんな偏見は吹っ飛ぶ。
バカな男を相手にする娼婦ではなく、娼夫を描くことでより深く突き付けられる。

愛のあるSEXと、愛の無いSEX。
その境界線はどこにあるのだろう。
前戯にどれだけ時間をかけられるか、行為後にピロートークがあるのかどうか。
そんな教科書的な話じゃない。

お金を払い払われて行われるSEXだけど、劇中で行われるSEXは確かな繋がりを感じさせてくれる。

愛と呼ぶには相応しくないのかもしれないが、愛へ辿り着くためのヒントがたくさん詰まっていた。

よく身体の相性と言うが、正確には(サイズ的な問題を除けば)相手の欲求に気が付けるかどうかを指すのだと思う
相手の心に触れるのが難しいのと同様、相手の身体に眠る欲求に触れるのも難しい。

ただキスして 愛撫して  連結しているだけでは決して辿り着けない。

互いに絶頂を迎えるには、相手の心に触れ、身体に触れ、心と身体に宿る欲望に直に触れなければ叶わない。

どんな欲望をも受け止めきれる覚悟がなくちゃ、真の幸福は得られない。

付き合いたての頃はともかく、性のコミュニケーションがしっかり図れていなければ自ずと回数も減っていく。
身体のすれ違いが、心のすれ違いにだって直結する。
パートナーの心と身体に潜む欲望をあなたは理解できているだろうか。
あなた自身の欲望を理解して貰えているだろうか。

生きていく限り、性欲も異性もSEXも避けては通れぬ道。

あなたの現状や抱えている問題は知らないが、この作品はきっとあなたの弱さを突いてくる
領とお客とのやり取りを通じて、あなたに宿る欲望を露わにする。

相手に全てを曝け出せたら素敵だなと思えてしまうはず。

気が付けばあっという間に時間が過ぎていた。
何かが掴めそうな気がして、もう少しだけ観ていたかった
が、その答えは自分自身の人生において見出さなければならない。

SEX 娼夫 R18 鬼才・三浦大輔

人によってはハードルが高く感じられるかもしれませんが、何の心配もいらないです。

純粋に人と人との関わりを描き、まさかの笑えるシーンまである最高の作品です!
是非、チェックされてみて下さい。

 

透明感★★★★
★★
エロ★★★
ハラハラ感★★★★
ファンシー感★★★
総合評価:A

WRITER- 工藤 夏樹 -

工藤 夏樹

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